放送作家が教えるテレビ番組の企画、構成入門編

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企画の種の育て方

この記事はテレビ業界志望の人に向けたものです

この記事は、テレビ・ラジオ業界で30年以上、番組の企画構成に携わり、
放送関係の専門学校で、講師を務めている人物が書いています。
テレビ業界志望者のために、テレビ番組の企画、構成についての入門編の記事を
書きました。

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第1章 テレビ番組の企画、構成とは

この章では、テレビ番組の企画、構成という仕事について紹介します。
テレビ番組の企画、構成とは、どんな人がどんな工程でどんなことをするのか、
具体的な例を挙げながら解説します。

1.1 テレビ番組の企画とは

テレビ番組の企画とは、番組の内容やテーマを考えることです。
番組の企画は、プロデューサー、ディレクター、放送作家などが考えます。

各自が企画を持ち寄り、企画会議で意見を出し合いながら、
面白くて視聴者に響く番組の企画を生み出します。
実際にテレビ番組にするために、主に放送作家が企画書を作成します。

1.2 テレビ番組の構成とは

テレビ番組の構成とは、番組の内容や順序、見せ方を決めることです。
番組の構成は、放送作家(構成作家)が主に担当します。
制作会議でプロデューサーやディレクターと話し合いながら、
番組内で何をどんな順番でどう伝えるかを考えます。

1.3 テレビ番組の企画、構成のポイント

テレビ番組の企画、構成をする上で大切なポイントを以下にあげます。

– 番組タイトル:視聴者に興味を持ってもらえるよう、番組の内容や特徴をひと言で表現する。
– 視聴者層:ターゲットとする視聴者層を明確にし、その層に合った内容やトーンを設定する。
-テーマ:番組の趣旨にあったテーマを選ぶ。視聴者層のニーズ、時事性も考える。
– キャスティング:番組内容にあった出演者やゲストを考える。
         それぞれの役割、キャラクターを考える。
– コーナー:番組内で分けられた小さな企画、区切りのこと。コーナーごとに目的や趣旨を
      明確にする。視聴者を飽きさせないよう、内容、演出などにバラエティを持たせる。
      順番、それぞれの時間杯分にも配慮する。
– 台本:出演者やゲストが話す言葉や動きを書き込んだもの。台本はあくまで、大まかな指示書。
    出演者やゲストが自由に話したり、リアクションする余地も残す。

第2章 テレビ番組の企画、構成のコツ

この章では、テレビ番組の企画、構成をするときに役立つコツを紹介します。
次のポイントを意識しましょう。

2.1 視聴者目線で考える

テレビ番組の企画、構成をするときは、ターゲットとする
視聴者が面白いと思うことを最優先に考えましょう。
視聴者はどんな人たちなのか、どんなことに興味や関心があるのか、
どんなことに感動や共感をするのか、などを常に意識しましょう。
視聴者に伝えたいメッセージやテーマがある場合は、明確にすること。
それを効果的に表現する方法を考えましょう。

2.2 オリジナリティを出す

他の番組と差別化することも重要です。
同じような内容や形式の番組が多い中で、
視聴者に選ばれるためには、オリジナリティが必要です。
オリジナリティを出す方法には、以下のようなものがあります。

– 新しい切り口や視点を見つける
– 独自のルールや仕掛けを作る
– 既存のジャンルやフォーマットを組み合わせる
– 予想外の展開やサプライズを用意する
– ユニークなキャラクターやキャッチフレーズを作る

2.3 バランスをとる

テレビ番組の企画、構成において、バランスも大切です。
バランスとは、以下のような点です。

– 情報とエンターテイメントのバランス:番組が情報番組であれば、正確で信頼できる情報を
  提供することが基本。それだけでは視聴者に飽きられてしまいます。
  逆に、番組がエンターテイメント番組であれば、笑いや感動を提供することが基本。
  そかしそれだけでは視聴者に浅く見られてしまいます。
  情報とエンターテイメントのバランスをとり、視聴者に飽きられず、また知的好奇心や
  感性を刺激することをこころがけましょう。
– 出演者のバランス:出演者は番組の顔。司会者、アシスタントが番組のトーン、雰囲気を
  決定します。性別、年齢などにバラエティを持たせ、それぞれの出演者に合った役割を
  考えましょう。
– 時間配分のバランス:時間内に何をどれくらい伝えるか。テーマ、内容の難度により、時間配分に
  差をつけ、リズムを作りましょう。どのテーマもおなじ時間配分にすると、単純であきられます。
  じっくりゆっくり伝えるコーナー。逆に要点を絞って短く伝えるコーナーなど変化をつけます。

第3章 テレビ番組の企画、構成の実践

この章では、テレビ番組の企画、構成を実際にやってみる方法を紹介します。
テレビ番組の企画、構成は、本やネットで勉強するだけではなく、
実際にやってみることでスキルが向上します。以下のような方法を試してみましょう。

3.1 既存の番組を分析する

テレビ番組の企画、構成を学ぶ一番の方法は、既存の番組を分析することです。
自分が好きで興味のある番組、また話題になっている番組を録画して、
何度も見直し、分析しましょう。
以下のような点を考えて下さい。

– 番組タイトル:番組の内容や特徴をどう表現しているか。
-視点・切り口:その番組独自の視点・切り口はどんなものか。オリジナリティがあるか。
-テーマ:それが視聴者のニーズにあっているか。各回の放送日時にふさわしいか。
– 視聴者層:ターゲットとする視聴者層はどう設定されているか。
– キャスティング:出演者やゲストはどんな人たちか。役割やキャラクターはどう設定されているか。
– コーナー:番組内はどのようなコーナーで組み立てられているか。それぞれのコーナーの役割、
  目的は。それらを効果的に見せるために工夫されている点は何か。
– 各回のテーマ:それぞれの回のテーマはどう設定されているか。1回だけでなく、数回の流れも見る。
– バランス:情報とエンターテイメント、出演者、時間配分などのバランスはどうなっているか。

これらの点を分析することで、
テレビ番組の企画、構成のコツやテクニックを学ぶことができます。

3.2 自分で番組を考えてみる

以上のような既存番組の分析検討を行ったら、自分で新たな番組を考えてみましょう。
実際に、テレビ番組を考えることで、企画、構成を学ぶことができます。
そのときに、既存番組の分析で考えた点に注意して企画しましょう。

– 番組タイトル:視聴者に興味を持ってもらえるような、
  また内容や特徴をひと言で表現するものになっているか。
-テーマ:放送時の視聴者のニーズにあっているか。
-切り口、視点:新しい取り上げ方、見方か。
– 視聴者層:ターゲットとする視聴者層が明確になっているか。その層に合った内容やトーンを
  設定しているか。
– キャスティング:出演者やゲストは、番組趣旨、内容にあっているか。それぞれの役割、
  キャラクターが設定されているか。それぞれの出演者の魅力、個性を引き出しているか。
– コーナー:内容を表現するのにふさわしいコーナーが考えられているか。バラエティをもたせ、
  時間の長短などを配慮しているか。コーナーごとに目的や趣旨が明確か。
– バランス:情報とエンターテイメントのバランス、出演者、時間のバランスは適正か。

自分でいくつも企画を考え、分析を積み重ねることで、
テレビ番組の企画、構成のスキルやセンスを磨くことができます。

まとめ

テレビ番組の企画、構成は、視聴者の心を引きつける番組づくりのために必要な仕事です。
テレビ番組の企画、構成を学ぶには、既存の番組を分析し、自分で番組を考えてみること。
テレビ番組の企画、構成をするときには、視聴者目線で考えること、オリジナリティを出すこと、
バランスをとることなどがポイントです。
テレビ業界志望者の方は、ぜひこの入門編を参考にしてください。

参考記事
既存番組の分析、「タイトル」を中心に。
なぜ「チコちゃんに叱られる!」はヒット番組になれなかったのか。当たる番組タイトル10の法則。
番組分析、ジャンル。
街ブラ番組はなぜ増えているのか 番組分析
テレビ番組がどのように生まれ、放送されるか、過程について解説しています。
テレビ番組が出来上がるまでを知る
テレビ番組を企画、制作するのに欠かせないリサーチについて書いています。
テレビ番組のリサーチについて考える
既存番組を分析。長時間のレキソ番組特番。
既存の番組から企画、演出を学ぶ テレ朝歴史特番
構成の中で最も重要とされるオープニングについて書いています。
引きつける番組のオープニングの作り方。つかみ。まくら。「始めよければ全てよし」。
企画のもと、種を探す方法について書いています。
企画、ネタの見つけ方、探し方。メモリアルイヤー、記念年を探せ。池波正太郎生誕100年。

プロフィール
この記事を書いた人
niki

35年以上にわたり、TV、ラジオ、
イベント制作に携わる。30年余
り、放送関係の専門学校講師を
勤め、企画書、台本の書き方を
教える。10年余りホテルの食に
関するHPの制作、コンサルタ
ントも、行う。新聞は小学4年生
から読み始め、多い時には13紙
を愛読。
ブログ「トクダス」
https://nikitoki.blog.ss-blog.jp/
ブログ「人生やり残しリスト」
https://yarinokoshi.blog.ss-blog.jp/

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